あいらぶ工房

パロ

2008年05月02日 23:21

先日開かれた手話通訳問題研究会主催の「どんぐりの家」という映画の鑑賞会。
(映画の内容については こちら
映画を見る前に、大阪にあるろう重複障害者の為の通所施設「あいらぶ工房」の職員から現在の状況についてお話がありました。

昨年4月に開所した「あいらぶ工房」は、定員50名ですが、開所時の利用者は21名。
1年経った現在の利用者は32名となっています。
施設建設の自己資金を集める募金活動を始める時に調査した結果では、施設が出来ればぜひ通いたいという声が多く、定員50名でも足りないと思われていましたが、実際は定員割れの状態です。
その原因となっているのが、障害者自立支援法です。

応益負担のこの制度の中では、サービスを受ければ受けるほど自己負担が増えてきます。
当然、障害が重ければ重いほど受けるサービスの数が増えるわけですから、障害が重ければ自己負担が増えるわけです。
そして障害が重ければ就労の機会も減ります。
「あいらぶ工房」では、利用者がパンを作って販売したり、軽作業を行って収入を得ていますが、施設の利用料を支払うと手元に殆ど残らないか持ち出してしまう状態です。

サービスを受けなければ自己負担額は増えないので、施設に通いたくても通えば自己負担が増えるからやめておこうということになってしまうのです。

また、「あいらぶ工房」大阪市内にあるのですが、利用者が施設の近くに住んでいるとは限らず、近隣の市町村からも通っておられます。
1人で電車に乗って通うことが出来る人はいいですが、ろう重複障害者は付き添いが必要なケースが多くなります。
しかし、行政が行っているガイドヘルパー派遣制度は社会福祉法人の施設への通所時には利用出来ません。
家族にも仕事があったり、高齢であったり、色んな事情があって付き添えない場合、本人が施設に通いたくっても、家族が施設に通わせたくっても、通所を諦めなければならないケースもあるとのこと。
施設としては送迎サービスを行ってはいますが、行ける範囲は限られており、十分まかないきれないのが現状です。

他にも現在抱えている色々な問題を話して頂きましたが、暗い話ばかりではありません。
利用者の定員が割れているとしても、1年間で10名以上も増え、施設で作っているパンも好評とのこと。
施設での楽しそうなエピソードを聞くと、施設を作ってほんとに良かったなぁと、そしてこれからも多くのなかまの笑顔を見る為にも支援を続けていこうと感じました。

あいらぶ工房
大阪市港区港晴1-7-4
ベーカリーカフェ営業時間
月~金 10:00~16:00

大阪ガス”小さな灯”ふれあいバザー
「あいらぶ工房」「なかまの里」で作られたパン、ケーキ等の販売があります
日時:5/20(火) 10:30~19:00
    5/21(水) 9:30~16:30
場所:大阪ガス本社ビル1階(御堂筋側)
    大阪市中央区道修町4丁目(最寄駅 地下鉄「淀屋橋」) 

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